テレビドラマで食べているラーメンは湯気が立っていない

テレビドラマや舞台芝居で使われている言葉に「消え物」というのがあります。

これは業界用語で、演技のなかで使用するとすぐに無くなるか消耗が始まってしまい、1回しか使えない小道具のことです。

食べ物が多いですが、ほかにも、割ってしまう花瓶や破ってしまう手紙や書類、燃やしてしまうろうそく、吸ってしまうタバコなどが消え物と呼ばれます。

これらは上演やテイクのたびに消費してしまい使いまわしができないので、そのつど新しいものを用意しなければなりません。

食事シーンで用意される食事も消え物ですが、この食事は、かつては演技にさしつかえないように冷えたものを使っていたのが、最近ではリアルな演技を求める監督の方針により温かいものは温かいままでてくることも多いようです。

しかし、食事のシーンで出されるラーメンは別で、ラーメン店のシーンなどで熱々のラーメンをすすり食べながらセリフを言うのは演技力のある役者でもさすがに無理なのでしょう。

さらに、演技にあわせてタイミングよくラーメンを出すためには、あらかじめ作っておいたものを用意しておかなければならず、熱々のできたてラーメンが本番のシーンで使われることはほとんどないのです。